悲しみのゴンドラ U
X 旅の鞄をみずから提げるに馴れた聖職者リスト みぞれのなかでも 陽光下でも そして いよいよ彼が死のうとするときすら 出迎えもいない その停車場。 素晴しいコニャックから温かく漂う香りの魅力だけが 仕事さなかの彼を引き戻す。 彼はいつも 仕事を抱えているのだ。 年間二千通の手紙! 綴り違えた言葉を 帰宅の前に百回書かねばならぬ 学童の姿。 ゴンドラはいのちを重く積み運ぶ、簡素で黒いそのかたち。