光の流入
窓のそとは春の長いけもの 陽光が透明な龍となって 流れ過ぎる まるで終りのない 郊外電車のように――頭は見る暇さえなかった。 海沿いの家々は横手に移動し 蟹たちのように誇らしげな風情。 陽は彫像たちを瞬かせる。 宇宙の彼方の怒れる火の海が 地球に届いて愛撫に変わる。 秒読みは始まった。