不穏の国

身を乗り出して局長は×印を一つ描き
彼女の耳飾りがダモクレスの剣さながらに揺れる。

まだらの蝶が地面に姿を没するように
悪魔が開かれた新聞の紙面に紛れこむ。

空の冑がかぶり手のないまま権力を握った。
木の下では飛ぶように逃げ去る母親亀。


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